JBAが考える指導者養成について

公益財団法人日本バスケットボール協会(以下、JBAと略表記)では、コーチに必要な人間力を「JBAがコーチ
に求める人間力」として示します。「人間力」は、人間が人間として持ちうる「卓越性」や「美徳」を指しますが、コーチに求められる人間力は、コーチ自身が自らのよさを発揮して、プレーヤーと自分自身がウェルビーイングや幸福を達成するための力であり、JBAが目指すプレーヤーズセンタードコーチングにとって欠かすことができないものです。それだけではなく、コーチが社会的に認知され、自立した存在として活動していくために必要とされる総合的な力も意味しています。


また、コーチングの成果として、一つには、どのようなプレーヤーを育てることができたかということがあります。どのようなプレーヤーの育成を目指すかについて、コーチの目標になる「JBAコーチング指針」を示しています。それはいわばコーチングにとっての羅針盤となるでしょう。

さらに、コーチングを通じてよりよいプレーヤーを育成し、自らの人間力を体現するために必要な「JBAコーチの行動規範」を定めました。コーチの行動規範は、さまざまな場面で、コーチがいかに行動すべきかを判断し、決定するうえでの原理原則を示したものです。しかしその原理原則は、絶対的な規則というわけではなく、あくまでコーチが行動するにあたっての基準(スタンダード)となるものです。コーチには、その場の状況に応じて、規範という原理原則に基づいて行動することが求められます。

このように、JBAでは、コーチのみなさんが、コーチとしての「人間力」を身につけ、コーチの「行動規範」に沿って行動し、コーチングの「指針」に基づいてコーチングを展開していっていただければ幸いです。